014

Se.
もうすぐ、大学の1年目が終わる。
夕方、いつものように、サーフィンを終えて海辺でダラダラ過ごす。
僕とコーディは砂浜で無言。
イーライとアレックスはじゃんけんで負けたので、コーヒーを買いに行った。
すぐそこの、アレックスのバイト先のカフェ。
しばらくして、イーライとアレックスが戻ってくるのが見えてきた。
ボードショーツ1枚のイーライと、水着にTシャツを着ただけのアレックス。
二人とも裸足。
コーヒーを手に持ってるのに、笑いながら走って戻ってきてる。
「寒い!」
アレックスのそんな声が聞こえてくる。
「はい!」
イーライが先に到着し、僕にコーヒーを手渡すと、ボードの上のTシャツを着た。
「羽織って行けばよかったのに」
アレックスは、イーライにコーヒーを手渡すと、ボードの上のパーカーを着る。
「……それ僕の」
「……ほんとだ。大きい。わたしのは?」
「持ってきてないんじゃない?」
ビーチタオルの上には、コーディのTシャツと、イーライのネルシャツと、アレックスのバッグだけ。
「じゃ、貸して」
「え、僕は何着るの」
「え、Tシャツ着てんじゃん」
「僕が寒くなったら何着ればいいのって言ってるの」
イーライが自分のネルシャツをパッと取る。
「砂の上あったけーぞ」
コーディ、起きてたの?
アレックスは僕のパーカーを脱ぐと、ビーチタオルの上に投げ捨てる。
「あ、ほんとだ、あったかい……」
アレックスは、コーディの横に足を投げ出して座った。
寝転んだり、Tシャツを脱いで砂を払ったり、いろいろ試している。
「休みになったらロードトリップ行かない?」
突然イーライが言い出した。
「トリップ?」
「せっかくコーディの車があるんだし」
「どこ行くの?」
「どこでも。その日に目的地決めるのもいい」
「私スカイダイビングしたい」
仰向けに寝転んでいたアレックスが、ぐるんと回転して砂浜に頬杖をつく。
ビキニ姿のアレックスはもう見慣れた。
なんともない。
アレックスとコーディのタトゥーは増えてる。
「僕、普通に海のダイビングでいい」
「ライセンス持ってるの?」
「持ってる」
16歳の夏にアレックスと一緒に取っておいて良かった。
「じゃあ4人で行けるじゃん」
イーライがそう言うってことは、コーディも潜れるんだ。
なんかイメージないな。
「私予定合わせられるから、イーライ計画立ててよ」
「コーディは?どれくらい空けられる?」
「あー、確認しとく」
「別に1日とか1泊でもよくない?それを何回か、とかでも」
「あ、それいい」
アレックスの案にイーライが賛成した。
「資金どうするよ。時間あっても金なかったら遊べねーぞ」
コーディが片目を開けて、現実的な話を持ち出した。
「1週間分くらいの資金なら、必死でバイトする」
「フリマ」
イーライとアレックスが同時に言う。
「フリマで1日座ってる時間あるんなら、バイトしたほうが稼げるんじゃね?」
「……確かに」
コーディのもっともな意見に、アレックスもイーライも僕も何も言えなかった。
とりあえず、休みまでにそれぞれお金を貯めておくってことで合意した。
行き当たりばったりの旅。
4人で過ごす2度目の夏。
今年もきっと楽しい。